2009年夏旅行動向調査総括~フォートラベル調べ
こんにちは。旅行ジャーナリストの村田和子です。
昨日、アドバイザーを務めます「旅行のクチコミサイトフォートラベル」の会員を対象に行った「2009年夏の旅行動向調査詳細レポート」を発表しました。今年は、新型インフルエンザあり、シルバーウィークあり、燃油サーチャージが下がり(撤廃含む)、高速道路の割引拡大あり・・・・動向がどう動くか予測も難しく、また結果の読み取りも結構苦戦しました。詳細のレポートは20数ページにわたりますので以下よりご確認ください。
■フォートラベルリサーチ
ブログでは、最後に私が総括として書かせて頂いているページを掲載しておきます。ご参考になれば幸いです。
(以下原文そのまま抜粋~ページ数などは本編をご覧ください)
まず初めに、結果を参照・分析する際の留意点について触れておく。本調査の回答者は、最近1年間に海外旅行を1.8回、国内旅行については、平均4.0 回実施しており、観光庁が発表した「旅行・観光消費動向調査」の20年度の報告データ(※)と大きな開きがある。(※1年間で海外旅行に1回以上行った人は16.8%、国民1人当たりの国内旅行実施回数は1.55回)
よって本調査は“旅行好きのオピニオンリーダーたち”の動向であり、旅行トレンドの先行指標として捕らえるのが適当だと考える。社会全体の動向と 一致するとは限らない点に留意頂き、本報告書をご覧頂ければ幸いである。
最初に、2009年夏の旅行動向に影響した環境要因の確認をしておきたい。
■要因1.長期間にわたる円高傾向(海外旅行商品の価格、海外旅行における滞在費への影響)
■要因2.数年ぶりに、日系航空会社を中心に7月ー9月発券分が燃油サーチャージが0円となる(参考:昨年同時期のハワイ路線片道2万円 )
■要因3.高速道路のETC割引(休日上限1000円)の拡大実施(8月の第2週.3週の木曜日・金曜日にも適用)
■要因4.JR・航空会社が中心に、公共交通機関の割引きっぷを発売
■要因5.9月にシルバーウィーク(5連休)がある(夏の休暇を5連休に取るという選択も可能に)
■要因6.GW明けに新型インフルエンザが国内でも発症。海外渡航、国内移動に制限を設ける企業も相次ぐ
■要因7.景気低迷の中、夏のボーナスは過去最大の落ち込み(経団連調査:前年実績比19.39%減の754,009円。1959年調査開始より最大の落ち込み)
上記の環境を踏まえ、改めて今年の夏の旅行を振り返りたいと思う。
2009年夏の傾向として、昨夏と比較し旅行へ出かけた人(海外・国内・帰省・日帰り)は増えており、この結果を見る限り旅行意欲は高かったといえる。新型インフルエンザや経済的なマイナス面(要因6,7)に対し、各種のプラス要因(要因1~5)が大きく働いたと考える。ただし、新型インフルエンザの影響は、旅行の予約時期に大きく影響した。例年予約の伸びが大きい旅行開始の2~3ヶ月前(5月中旬~6月中旬)は、国内初の新型インフルエンザ感染報道と重なり、業務渡航や出張まで自粛され、到底プライベートの旅計画を立てる状況でなかったことが数字からも読み取れる(要因6)。
予約の動きが鈍く心配されたが、国交相の「国内旅行の安全宣言」などを経て、出発まで2ヶ月をきってから、急速に予約が増加した。また、旅行費用は日程の長期化を受け全体的には増加傾向だが、1日当たりの平均予算は昨夏と比較すると減少傾向であり、旨く予算の折り合いをつけて旅を計画した様子が覗える。
海外旅行のトピックスとしては、行き先では旅行日程が5日間以下ではアジアが人気、6日間以上の旅行では、ヨーロッパの人気が高かった。円高や燃油サーチャージの撤廃で手ごろな価格で海外旅行が提供される中、日程に余裕がある人は予算と折り合いをつけつつ遠距離も含めた広い選択肢の中から旅先をセレクトしたと考えられる(要因1,2)。
また国内旅行においては、家族旅行の実施率が昨夏を大きく上回っており、その74.0%が車を利用。全体の56.2%と比較し、大変多い結果となった。また、居住地ごとの旅行先を見ると関西在住者の旅先のトップは四国で、全員が車で移動と回答し、高速道路及び四国連絡橋の値下げが関与していると思われる。このように春から実施されたETC割引(休日上限100O円)は、特にファミリーの旅行需要を押し上げ、また旅行先の選定においても今までと異なる選択肢を与えるきっかけとなった。(要因3)。また今回、国内の「ひとり旅」が増えたが、ETC割引に対抗して公共交通機関も割安な切符を発売したことが少なからず影響していると考えられる。(要因4)。
最後に旅行のスタイルと手配について触れておきたい。全体的な大きな流れとしては、旅行のスタイルはツアーから個人手配へと移り、特に国内旅行では、高速道路のETC割引が車旅を後押ししたこともあり個人手配の増加が著しい。また個人手配をする人は、89.2%がWeb(PC)経由で申し込みをしており、手数料や時間・場所の気軽さから考えても、旅行会社の窓口ではなくWebで手配する傾向は強くなると考える。
一方で夏は、他のシーズンと比較すると、ツアーの利用者が多い傾向にあり、ツアー利用者は旅行会社の窓口を利用する傾向が強いこともわかった。旅行者が行き先決定から手配、実施方法まで選択肢を広くもつ中、真に求めているサービスや価値を的確にとらえ、既存の枠にとらわれずに対応していくことが、今後ますます旅行業界にとって重要となりそうだ。
夏の調査からは、前年度との比較もできるため、より詳細のレポートができたと考える。旅行者ニーズの集積としての本調査が、旅行者の重要喚起、業界の役割の再認識、新サービスの構築等に役立てば幸いである。
旅行ジャーナリスト 村田和子
※旅行に関する執筆・講演・アドバイス等、仕事に関するご相談・ご依頼はメールでお願い致します
※取得資格:一級販売士・ファイナンシャルプランナー・総合旅行業務取扱管理者
© All rights reserved Kazuko Murata since 2006
昨日、アドバイザーを務めます「旅行のクチコミサイトフォートラベル」の会員を対象に行った「2009年夏の旅行動向調査詳細レポート」を発表しました。今年は、新型インフルエンザあり、シルバーウィークあり、燃油サーチャージが下がり(撤廃含む)、高速道路の割引拡大あり・・・・動向がどう動くか予測も難しく、また結果の読み取りも結構苦戦しました。詳細のレポートは20数ページにわたりますので以下よりご確認ください。
■フォートラベルリサーチ
ブログでは、最後に私が総括として書かせて頂いているページを掲載しておきます。ご参考になれば幸いです。
(以下原文そのまま抜粋~ページ数などは本編をご覧ください)
まず初めに、結果を参照・分析する際の留意点について触れておく。本調査の回答者は、最近1年間に海外旅行を1.8回、国内旅行については、平均4.0 回実施しており、観光庁が発表した「旅行・観光消費動向調査」の20年度の報告データ(※)と大きな開きがある。(※1年間で海外旅行に1回以上行った人は16.8%、国民1人当たりの国内旅行実施回数は1.55回)
よって本調査は“旅行好きのオピニオンリーダーたち”の動向であり、旅行トレンドの先行指標として捕らえるのが適当だと考える。社会全体の動向と 一致するとは限らない点に留意頂き、本報告書をご覧頂ければ幸いである。
最初に、2009年夏の旅行動向に影響した環境要因の確認をしておきたい。
■要因1.長期間にわたる円高傾向(海外旅行商品の価格、海外旅行における滞在費への影響)
■要因2.数年ぶりに、日系航空会社を中心に7月ー9月発券分が燃油サーチャージが0円となる(参考:昨年同時期のハワイ路線片道2万円 )
■要因3.高速道路のETC割引(休日上限1000円)の拡大実施(8月の第2週.3週の木曜日・金曜日にも適用)
■要因4.JR・航空会社が中心に、公共交通機関の割引きっぷを発売
■要因5.9月にシルバーウィーク(5連休)がある(夏の休暇を5連休に取るという選択も可能に)
■要因6.GW明けに新型インフルエンザが国内でも発症。海外渡航、国内移動に制限を設ける企業も相次ぐ
■要因7.景気低迷の中、夏のボーナスは過去最大の落ち込み(経団連調査:前年実績比19.39%減の754,009円。1959年調査開始より最大の落ち込み)
上記の環境を踏まえ、改めて今年の夏の旅行を振り返りたいと思う。
2009年夏の傾向として、昨夏と比較し旅行へ出かけた人(海外・国内・帰省・日帰り)は増えており、この結果を見る限り旅行意欲は高かったといえる。新型インフルエンザや経済的なマイナス面(要因6,7)に対し、各種のプラス要因(要因1~5)が大きく働いたと考える。ただし、新型インフルエンザの影響は、旅行の予約時期に大きく影響した。例年予約の伸びが大きい旅行開始の2~3ヶ月前(5月中旬~6月中旬)は、国内初の新型インフルエンザ感染報道と重なり、業務渡航や出張まで自粛され、到底プライベートの旅計画を立てる状況でなかったことが数字からも読み取れる(要因6)。
予約の動きが鈍く心配されたが、国交相の「国内旅行の安全宣言」などを経て、出発まで2ヶ月をきってから、急速に予約が増加した。また、旅行費用は日程の長期化を受け全体的には増加傾向だが、1日当たりの平均予算は昨夏と比較すると減少傾向であり、旨く予算の折り合いをつけて旅を計画した様子が覗える。
海外旅行のトピックスとしては、行き先では旅行日程が5日間以下ではアジアが人気、6日間以上の旅行では、ヨーロッパの人気が高かった。円高や燃油サーチャージの撤廃で手ごろな価格で海外旅行が提供される中、日程に余裕がある人は予算と折り合いをつけつつ遠距離も含めた広い選択肢の中から旅先をセレクトしたと考えられる(要因1,2)。
また国内旅行においては、家族旅行の実施率が昨夏を大きく上回っており、その74.0%が車を利用。全体の56.2%と比較し、大変多い結果となった。また、居住地ごとの旅行先を見ると関西在住者の旅先のトップは四国で、全員が車で移動と回答し、高速道路及び四国連絡橋の値下げが関与していると思われる。このように春から実施されたETC割引(休日上限100O円)は、特にファミリーの旅行需要を押し上げ、また旅行先の選定においても今までと異なる選択肢を与えるきっかけとなった。(要因3)。また今回、国内の「ひとり旅」が増えたが、ETC割引に対抗して公共交通機関も割安な切符を発売したことが少なからず影響していると考えられる。(要因4)。
最後に旅行のスタイルと手配について触れておきたい。全体的な大きな流れとしては、旅行のスタイルはツアーから個人手配へと移り、特に国内旅行では、高速道路のETC割引が車旅を後押ししたこともあり個人手配の増加が著しい。また個人手配をする人は、89.2%がWeb(PC)経由で申し込みをしており、手数料や時間・場所の気軽さから考えても、旅行会社の窓口ではなくWebで手配する傾向は強くなると考える。
一方で夏は、他のシーズンと比較すると、ツアーの利用者が多い傾向にあり、ツアー利用者は旅行会社の窓口を利用する傾向が強いこともわかった。旅行者が行き先決定から手配、実施方法まで選択肢を広くもつ中、真に求めているサービスや価値を的確にとらえ、既存の枠にとらわれずに対応していくことが、今後ますます旅行業界にとって重要となりそうだ。
夏の調査からは、前年度との比較もできるため、より詳細のレポートができたと考える。旅行者ニーズの集積としての本調査が、旅行者の重要喚起、業界の役割の再認識、新サービスの構築等に役立てば幸いである。
旅行ジャーナリスト 村田和子
※旅行に関する執筆・講演・アドバイス等、仕事に関するご相談・ご依頼はメールでお願い致します
※取得資格:一級販売士・ファイナンシャルプランナー・総合旅行業務取扱管理者
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